今回はクラウドという概念がどのようにして生まれ、なぜ普及していったのかに着目した。

まずはじめに、クラウド(クラウドコンピューティング)という概念は、1997年に当時南カリフォルニア大学教授であったラムナト・チェラッパ氏によって提唱された。当時は一般社会に浸透しなかったが、Google社CEOであるエリック・シュミット氏が2006年に開催されたサーチエンジン戦略会議にて再びクラウドに触れたことがきっかけで、本格的に広まったと言われている。

クラウドが普及した背景としては、情報システムの構築、維持コストを削減しようという動きが根幹にあった。

初期費用や管理にコストが嵩み、企業にとって大きな負担となっていた従来のシステム運用の課題に対して、Amazon(AWS)やGoogle(GCP)、Microsoft(Azure)などの有名企業各社が提供するクラウドサービスがインパクトある解決策を提供したのだ。

ITコストを削減しつつも、より柔軟で統一性のある情報システムを構築することが可能になったことで、まず人材と資本に恵まれない中小・ベンチャー企業が積極的にクラウドを取り入れた。また大企業にも、より柔軟で統一性のある情報システム構築のため、クラウドを活用する動きが広く普及した。

クラウドが普及してからは、従来型の運用形態はオンプレミスと呼ばれるようになり、両者を明確に区別するようにもなった。さらに、両者を相互補完的に使用する、ハイブリッドクラウドと呼ばれる概念も登場し、業種や企業規模を問わず広まりを見せている。

日々進化していくクラウドの世界は、常に情報のキャッチアップが求められる。クラウドエンジニアの需要は高まりつつ、その希少性は日々高まっている状況といえるだろう。
またこの先、クラウドが登場したような大きな変化が訪れるかもしれない。
そういった状況を頭の片隅にイメージしつつより柔軟な思考を養い、新しい価値を世の中に生み出す、その一端を担っていきたい。