最近、GenU を土台にしたお客様向け生成AIサイトを構築し提供までを経験しました。生成AIは“試す”から“安全に定着”の段階へ移行しており、ガバナンス と コスト管理 を両立できる起点として GenU が有効的だと感じました。今回は実際にGenUを導入した際の手順を記載します。
GenUとは
GenU(Generative AI Use Cases) は、AWS が OSS として公開する「業務でそのまま使える UI 付きの生成 AI ユースケース集」です。Amazon Bedrock を前提に、Cognito / CloudFront / API Gateway / Lambda / DynamoDB などで構成され、チャット・要約・翻訳・RAG・音声対話・エージェント・Diagram 生成 までを箱入りで提供します。製品というより 実用テンプレート で、PoC → 小規模本番までの立ち上げを一気に短縮できるのが特徴です。
導入する際に気をつけるポイント
- AWSアカウントの作成
- AWS Account IDを準備します。
- Node/npm、AWS CLI、CDK のインストールと基本操作
- 導入には上記が動く環境が必要になります。
- 選択するリージョン
- 使用するAIのモデルを選択する際、東京リージョン(ap-northeast-1)を選択すると最新のモデルが選択できません。そのため今回は最新のモデルを使用するためにバージニア北部リージョン(us-east-1)を選択し導入します。
- コストが発生する
- GenUはBedrockで動いており、従量課金のため利用料に応じて金額が変動します。想定の使用量やコストの見積もりが必要です。
手順① Amazon BedrockでAIモデルを有効化
GenUはデフォルトでバージニア北部リージョンで構築される&最新のAIモデルを使用するため、このリージョンでモデルを有効化します。
1.Amazon Bedrock > モデルアクセス > 「特定のモデルを有効にする」ボタンを押下

2.使用したいモデルにチェックを入れ、下部にある「次へ」ボタンを押下


3.利用規約に同意したら「送信」ボタンを押下

4.リクエストしてしばらく経つと選択したモデルのアクセスが付与される

手順② GenUをローカル環境で構築
1. Github(https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases)からローカル環境にCloneする

git clone https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases-jp.git
2. Cloneしたディレクトリ上で npm ci
を実行する

cd generative-ai-use-cases-jp
npm ci
3. npx bootstrap
実行

npx -w packages/cdk cdk bootstrap
※上記コマンドでうまく動かなかったので、アクセスキーを使用して東京リージョン、バージニア北部リージョンを指定して実行
npx -w packages/cdk cdk bootstrap aws://************/ap-northeast-1 --profile プロファイル名
npx -w packages/cdk cdk bootstrap aws://************/us-east-1 --profile プロファイル名
4. デプロイ実行(数分かかる。途中で数回確認があるので随時 y
キーを押下。)

npm run cdk:deploy
手順③動作確認
デプロイの出力にGenerativeAiUseCasesStack.WebUrl = https://*************.cloudfront.net
とあるので記載のURLにアクセスします。
1. ページにアクセスする

2. アカウントを作成しサインインする

3. 実際に使ってみる
文章作成

ファイルをアップロードして内容の要約

まとめ
GenU は 「すぐ使える・安全に配れる」 生成 AI の土台です。
簡単に構築できるのでぜひGenUを導入し、業務でのAI活用を始めてみてはいかがでしょうか。