※2026年7月時点のMicrosoft公式情報をもとに執筆しています。

※Microsoft 365のライセンス体系やサービス内容は変更される場合があります。最新情報はMicrosoft公式サイトをご確認ください。

はじめに

Microsoft 365を導入・運用していると、以下のような疑問を持つことがあります。

  • Microsoft 365のライセンスとは何を購入しているのか
  • Office 2021などの買い切り版とは何が違うのか
  • 個人向けと法人向けは何が違うのか
  • なぜMicrosoft Entra IDが必要なのか

特に情シス担当者やインフラエンジニアは、ライセンスの仕組みを理解しておくことで、適切なライセンス設計や運用、将来の拡張計画を立てやすくなります。

本記事では、Microsoft公式情報をもとに、Microsoft 365ライセンスの基本的な考え方を分かりやすく解説します。


Microsoft 365のライセンスとは

Microsoft 365におけるライセンスとは、Microsoftが提供するクラウドサービスやアプリケーションを利用するための使用権です。

従来のOffice 2019やOffice 2021などの買い切り版とは異なり、Microsoft 365ではサブスクリプション方式が採用されています。

ライセンスをユーザーへ割り当てることで、Officeアプリだけではなく、以下のようなサービスを利用できるようになります。

  • Exchange Online
  • Microsoft Teams
  • SharePoint Online
  • OneDrive for Business
  • Microsoft Defender
  • Microsoft Purview

サブスクリプション型ライセンス

Microsoft 365は月額または年額で利用するサブスクリプションサービスです。

買い切り版との違いは、契約期間中であれば常に最新版のOfficeアプリやセキュリティ更新、新機能を利用できる点です。そのため、新しいOfficeを購入し直す必要がありません。

また、Microsoftは継続的に機能拡張を行っているため、最新のAI機能や高度なセキュリティ機能なども順次アップデートで利用できるようになります。

ユーザー単位でライセンスを割り当てる

Microsoft 365では、ライセンスはPC端末ではなくユーザー(人)に割り当てる仕組みです。

管理者はMicrosoft 365管理センターまたはMicrosoft Entra管理センターからユーザーへライセンスを割り当てます。

ライセンスが付与された1ユーザーは、一般的に以下のデバイスへMicrosoft 365 Appsをインストールしてサインイン利用できます。

  • 最大5台のWindows PCまたはMac
  • 最大5台のタブレット
  • 最大5台のスマートフォン

ユーザーは複数のデバイスでサインインして利用できるため、会社のPCだけでなく、自宅のPCや業務用スマートフォンなどでもスムーズに作業が可能です。

Microsoft Entra IDとの関係

Microsoft 365におけるライセンス管理の中心となるのがMicrosoft Entra ID(旧 Azure AD)です。

Microsoft Entra IDには、組織内のユーザーやグループの情報がIDとして保存されています。管理者は以下のような流れで管理を行います。

  1. Microsoft 365ライセンスを購入する
  2. Microsoft Entra IDのユーザーまたはグループへライセンスを割り当てる
  3. ユーザーがサインインすると利用権限が付与される

ライセンスはユーザー単位での手動割り当てだけでなく、グループ単位での自動割り当て(グループベースのライセンス機能)も可能です。

💡 エンジニア向けポイント
Microsoft 365では、ライセンスは「Microsoft Entra IDのユーザーまたはグループ」に割り当てられます。これにより、Exchange OnlineやTeams、SharePoint Onlineなどの利用権限が自動的に有効になります。運用規模が大きい組織では、グループベースのライセンス割り当てを活用することで管理負荷を大幅に軽減できます。


個人向けと法人向けの違い

Microsoft 365には、大きく分けて「個人向け」と「法人向け」があります。どちらもOfficeアプリを利用できる点は共通していますが、ライセンスの考え方や管理方法は大きく異なります。

項目 個人向け(Personal / Family) 法人向け(Business / Enterprise)
主な用途 個人利用 組織利用
認証基盤 Microsoft アカウント Microsoft Entra ID
ライセンス所有者 個人 組織
データ管理 個人で管理 組織で集中管理
OneDrive 個人向け OneDrive OneDrive for Business
SharePoint ×
Teams管理 ×
Intune × 一部プランで利用可能
管理者機能 ×

なぜ企業では法人向けライセンスを利用するのか

企業でMicrosoft 365を導入する場合は、個人向けではなく法人向けライセンスを利用することが強く推奨されます。

その理由は、法人向けライセンスでは組織全体でユーザーやデータを一元管理・保護できるためです。

  • 社員の入退社に合わせた迅速なアカウント・アクセス権管理
  • コンプライアンス遵守のためのデータ保持(リテンション)や監査ログ取得
  • 条件付きアクセス(Conditional Access)によるゼロトラストセキュリティの強化
  • Microsoft Intuneを利用したモバイルデバイス・PCの統合管理
  • SharePoint Onlineによる組織内ファイル共有と権限分離

一方、個人向けライセンスはあくまで個人利用を前提としているため、退職時のアクセス遮断やデータの組織管理といった「企業のガバナンス・セキュリティ統制」には適していません。


まとめ

Microsoft 365のライセンスは、単に「Officeアプリを利用するための契約」ではありません。組織のアイデンティティ管理、クラウドサービス、セキュリティ、共同作業までを含めた包括的な利用権を提供する仕組みです。

本記事のポイントを整理すると、以下の通りです。

  • Microsoft 365は常に最新機能が使えるサブスクリプション型ライセンスを採用している
  • ライセンスはデバイス(端末)ではなくユーザー(人)へ割り当てる
  • Microsoft Entra IDを中心にライセンスと権限を一元管理する
  • 個人向けと法人向けでは、管理方法や所有権・利用目的が大きく異なる
  • 企業では法人向けライセンスを利用することで、ガバナンスやセキュリティを大幅に強化できる

次回は、Business Basic・Business Standard・Business Premium・Microsoft 365 E3・E5の違いや、自社の規模・セキュリティ要件に適したライセンスの選び方について詳しく解説します。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。もしこの記事の技術や考え方に少しでも興味を持っていただけたら、ネクストのエンジニアと気軽に話してみませんか。

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