近年、トレーディングカード業界を中心に
「オンラインオリパ」 と呼ばれるサービスが急速に広がっています。
スマホやPCからガチャを回し、
当たったカードがそのまま発送されたり、ポイントやコレクションとして管理されたりと、
リアルとデジタルを組み合わせた新しい体験が人気を集めています。
今回は、
オンラインオリパを作る側の視点で
「ガチャの排出ロジックにはどんな考え方があるのか?」
を整理してみたいと思います。
オンラインオリパで重要な「排出ロジック」
オンラインオリパでは、
「何がどのくらいの確率で当たるのか」
がユーザー体験を大きく左右します。
- 当たらなすぎる → 不満・離脱
- 当たりすぎる → 在庫・利益が崩れる
- 仕組みが分かりにくい → 不信感
このバランスを取るために、排出ロジックの設計は非常に重要です。
① 固定確率方式(基本)
まずは最もシンプルな方式です。S,A,B,Cの賞があるものとして、いかに説明をかきます。
例:ランク別固定確率
- S賞:1%
- A賞:5%
- B賞:19%
- C賞:75%
- 合計:100%
ガチャを回すたびに、
毎回この確率で S / A / B / C のどれかが抽選 されます。
特徴
- 実装がシンプル
- ユーザーにも説明しやすい
- 1回ごとの抽選が完全に独立
注意点
- S賞が一度も出ないユーザーが出る可能性がある
- 逆に、連続でSが出る可能性もある
いわゆる「完全確率ガチャ」で、
期待値は収束するが、体感にはムラが出る のが特徴です。
② サブレアリティ付き確率ガチャ(現実的でよく使われる)
次に、固定確率方式を一段階進化させたロジックです。簡単にいうと先ほどの確率固定に加えて、各賞にサブレアリティを持たせて同じ賞内でも複数商品がある場合に、排出確率を変動できるものです。
今回はS,A賞にのみサブレアリティを作成した例で考えます。
基本の流れ
- まず S / A / B / C のランク抽選
- S・Aが当たった場合のみ、サブレアリティ抽選
- 該当サブレアリティ内から商品をランダム排出
例:S賞の内訳
- S+(超レア・目玉):20%
- S(通常S):80%
- ※S賞全体で1%
この場合、
- S+が当たる確率は 0.2%
- Sが当たる確率は 0.8%
となります。
少しわかりずらいので、以下にロジック図を添付します。

メリット
- 「Sの中にも当たりがある」というワクワク感
- 運営側が目玉商品をコントロールしやすい
- イベントやキャンペーンと相性が良い
運用のポイント
- 確率は管理画面から自由に変更可能にする
- 合計が必ず100%になるようにチェックを入れる
- B・C賞はサブレアリティなしで単純化
現在のオンラインオリパでは、
この方式が最もバランスが良い と感じています。
③ 商品数=確率にする方式(母数型ガチャ)
確率を直接設定せず、
登録されている商品の数=排出確率 とする考え方もあります。
エンジニア目線だとこのロジックは
例
- S賞:3商品
- A賞:20商品
- B賞:100商品
- C賞:500商品
→ 全商品からランダムに1つ選ぶ
メリット
- 直感的で分かりやすい
- 確率計算が不要
デメリット
- 商品数が増えるとDB負荷が高くなる
- 大量データではパフォーマンス問題が出やすい
- 運用途中で確率調整がしづらい
小規模なら使えますが、
中〜大規模サービスでは工夫が必要 な方式です。ITエンジニア目線ではあまりおすすめはできない方式です。
④ 保証ガチャ(排出順固定型)
最近よく見かけるのが「保証ガチャ」です。ガチャの中で確実に当たりを出せる、保証があるロジックです。
考え方
- 排出順を事前に決めておく
- 例:
- 3回目にA賞
- 10回目にS賞
- ユーザーが引いた回数に応じて、確実に当たりが出る
- こちらはここまでの確率系のガチャとは異なるロジックなので以下にロジック図を添付します。

メリット
- あたりが確実に入っていると説明できる
- ユーザーの不満が出にくい
- 課金の心理的ハードルが下がる
- 排出報告の実績も残しやすい
注意点
- 排出順が漏れると不正リスクがある
- あたりの封入数によってはユーザーからの不満が出やすい。
- 商品削除・入れ替え時の整合性管理が必要
そのため、
ユーザーごとに排出順を生成する
排出順はサーバー側のみで管理する
といった設計が重要になります。
どのロジックが正解なのか?
結論として、1つのロジックが万能ということはないと実感しました。そのため複数のアルゴリズムを組み込んだサイト運営が必要です。
- 通常ガチャ → 固定確率+サブレアリティ
- 集客用ガチャ → A賞多め・体感重視
- 高額ガチャ → 保証ガチャ併用
- 小規模 → 母数型
- 中〜大規模 → 確率管理型
サービスの規模・在庫・ユーザー層によって
最適なロジックは変わります。
おわりに
オンラインオリパのガチャ設計は、単なる確率計算ではなく、体験設計そのもの です。
- 「どれくらい夢を見せたいか」
- 「どこで安心感を与えるか」
- 「運営としてどこをコントロールしたいか」
これらを考えながらロジックを組み立てることで、
長く続くサービスになると感じています。
これからオンラインオリパを作る方、
または仕組みを見直している方の参考になれば幸いです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。もしこの記事の技術や考え方に少しでも興味を持っていただけたら、ネクストのエンジニアと気軽に話してみませんか。
- 選考ではありません
- 履歴書不要
- 技術の話が中心
- 所要時間30分程度
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