※本記事は必ずしもそうしろと言った意図はありません。あくまで私個人の思考方法のため正解ということでははありません。あくまでこういった働き方もあるという記事となります。ご理解ください。

前置:入社前テスト0点だった私が、顧客に信頼されるまでに守ってきたこと

エンジニア歴10年が経過し、あえて「技術」そのものではなく、私が10年間泥臭くあがいて辿り着いた「思考の作法」について書こうと思います。

今でこそ、現場を任されるようになりましたが、私のスタートは決して順風満帆ではありませんでした。

もし今、あなたが「周りと比べて自分は才能がない」と落ち込んでいたり、お客様との会話に不安を感じていたりするなら、ぜひ読んでみてください。

第一章: 私の始まりは「0点」だった

信じられないかもしれませんが、就活をしていた時、プログラミングテストで私は0点を取りました。それでも「別の言語でもう一度受けてみない?」とチャンスをくださった人事の方がいなければ、今の私は存在しません。

新人研修が始まっても、私の知識ゼロ状態は変わりませんでした。同期に「条件文ってifだっけ、forだっけ?」「繰り返しって何?」と、初歩中の初歩を毎日聞き続けていました。

この「何もわからない」という圧倒的な弱みが、実は私の最大の転換点になりました。

自分の頭の中に「答え」が一切ないからこそ、私は「誰が正しい情報を持っているか」を必死に観察し、プライドを捨てて相手の懐に飛び込んで教えを乞うしか生き残る道がなかったのです。

この「わからない自分を素直に認め、最適な相手から最短で情報を引き出す」という必死の経験。これこそが、のちに顧客の真意を読み解き、現場の課題を吸い上げる私の「情報収集力」の土台になりました。

第二章:先輩が残してくれた「心得」と、4年越しの気づき

新人時代、私のコードはレビューでいつもボコボコにされていました。

「合っているはずだ」と思って出しても、また指摘。また修正。

当時は自分の至らなさを棚に上げて、イライラしていたこともあります。

その先輩が現場を離れるとき、私に一枚の用紙をくれました。

そこには要件定義、設計、実装、テスト……各工程における

「システム屋としての心得」がびっしりと書き込まれていました。

その中心に、最も大きく書かれていた言葉を今でも鮮明に覚えています。

「自分で作ったものは、疑え」

当時は全く刺さりませんでした。「まあ、そうですよね」と引き出しに放り込んだだけ。

しかし、4〜5年経って一人で現場を任されるようになり、ふと気づいたのです。

あの用紙に書かれていたことは、「思考の隅に置いておくべき、リスクの地図」だったのだと。

「動いたからOK」で終わらせず、頭の片隅で常に「もしデータが1件もなかったら?」「ユーザーが想定外の操作をしたら?」と疑い倒す。

この足掻きこそが、品質を守る最後の砦だと気づいたのです。

第三章:「いや」を捨て、相手の懐に入る

お客様や設計者と話すとき、つい「いや、それは……」と否定から入っていませんか?

かつての私もそうでした。しかし、口癖の「いや」は、無意識のうちに相手の心を閉ざしてしまいます。

たとえ相手の意見が自分の考えと違っていても、まずは「なるほど、そうですね」と肯定する。

否定ではなく肯定から入ることで、相手も心を開いてくれます。自分が間違っていた時も、相手が「実はこうなんだよ」と優しく教えてくれるようになります。

人との対話は「正論のぶつけ合い」ではなく、「信頼を築き、本音(情報)を引き出す場」。10年経って、コミュニケーションも一つの「技術」だと確信しています。

第四章:「要望通り」は50点。先を見る想像力

今はAIがコードを書く時代です。しかし、AIは「指示の行間」までは読みません。

例えば、お客様に「Aボタンを押したら前の画面に戻るようにしてほしい」と言われたとき。

  • 50点のSE: 言われた通り、Aボタンだけを修正する。
  • 100点のSE: 「隣にあるBボタンも、同じように戻る動きにすべきでは?」と考え、確認する。

お客様が本当に欲しいのは「一貫性のある操作感」であって、Aボタンの修正そのものではありません。常に「これだけで十分か?」と疑い、頭の片隅に懸念を置いておくからこそ、AIにはできない先回りの提案ができるのです。

第五章:リーダーの時間を奪わない「仮説」と「リカバリー」の力

「わからないことは聞け」とよく言われますが、聞き方には作法があります。

もし後から懸念に気づいて確認に行く際、忙しいリーダーに「どうすればいいですか?」と丸投げするのは、相手の思考時間を奪う行為です。

「Aの修正に伴い、Bも同様の動きにすべきと考えます。調査したところ工数内での対応が可能です。この方針で進めてよろしいでしょうか?」

このように、自分の認識(仮説)をぶつける確認に変えるだけで、相手は「YES」と判断するだけで済みます。

もし、その仮説が間違っていたら? ――それでも全く構いません。 間違っていれば、リーダーは「いや、そこはこういう理由で別の動きにするんだよ」と正解を教えてくれます。

大事なのは、「自分で考えて提案した」という行動そのものです。 一度間違えれば、次からは同じ間違いをしなくなります。間違いは「失敗」ではなく、次の成長への確かな「布石」です。 臆さず、しかし相手への配慮(準備)は忘れない。これが10年選手の「質問の作法」です。

最後に:

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。もしこの記事の技術や考え方に少しでも興味を持っていただけたら、ネクストのエンジニアと気軽に話してみませんか。

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