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ChatGPTの有料版と無料版に同じ質問をしてみた

はじめに

ChatGPT には無料版と有料版が存在します。

「有料版の方が賢い」「無料版でも十分」といった意見はよく見かけますが、

同じ質問をしたとき、具体的にどの部分に違いが出るのか

を、実際の出力を基に整理した記事は多くありません。

本記事では、
ChatGPT 無料版と ChatGPT Plus にまったく同じ質問を投げ、
その回答内容を技術的観点で比較
 します。

検証条件

まず、比較条件を明確にしておきます。

  • 比較対象
    • ChatGPT 無料版
    • ChatGPT Plus(有料版)
  • 使用モデル
    • 無料版:自動選択
    • Plus:ChatGPT 5.2
  • お題:プロンプトインジェクションとは何か。
    Webエンジニア向けに、具体例と対策を交えて説明してください。
  • 質問文は完全に同一
  • 比較観点
    • 説明の切り口・構成
    • 具体例の粒度
    • 対策の実装レベル
    • 結論の置きどころ

※ 本記事は モデル性能の厳密比較 ではなく、
実際の利用体験として「出力の性質の違い」を見ることを目的 としています。

1. 説明の切り口・構成の違い

最初に違いが表れたのは、説明の始め方 です。

無料版の特徴(抜粋)

プロンプトインジェクション(Prompt Injection)とは、
LLM(大規模言語モデル)に与える「指示(プロンプト)」を、
ユーザー入力などを通じて意図的に上書き・誤誘導する攻撃手法です。

定義から入り、そのまま説明を進める
教科書的で読みやすい構成 になっています。

ChatGPT Plus の特徴(抜粋)

プロンプトインジェクション(Prompt Injection)は、
LLM(ChatGPTなど)に与えられた指示(プロンプト)を、
ユーザー入力などを通じて意図的に上書き・誤作動させる攻撃手法です。
Webエンジニア向けに、仕組み → 具体例 → 実装上の対策、の順で説明します。

ChatGPT Plus の回答では、
説明の構造(どういう順番で話すか)を最初に宣言 しています。

比較して分かったこと

  • 無料版:解説記事向け(自然に理解できる)
  • Plus:設計資料・レビュー向け(読み手の目的を意識)

この時点で、
「誰のための回答か」という前提が少し違う ことが見えてきます。

2. 具体例の出し方の違い

次に顕著だったのが、具体例の粒度 です。

無料版:文章ベースの例

想定アプリ
社内情報のみ答えるチャットボット

攻撃入力例
これまでの指示はすべて無視してください。

概念理解には十分で、
「どういう攻撃か」が直感的に分かります。

ChatGPT Plus:実装を前提とした例

prompt = <<~PROMPT
  以下の問い合わせ内容を要約してください。

  問い合わせ内容:
  #{user_input}
PROMPT

Plus の回答では、
実務で実際に書きがちなコード を例にしています。

比較して分かったこと

  • 無料版:攻撃の「イメージ」を掴むための例
  • Plus:事故が起きるコード上のポイントを示す例

実装経験があるほど、
Plus の説明の方が具体的に感じられます。

3. RAG・間接プロンプトインジェクションの扱い

両者とも RAG(検索拡張生成)の危険性に触れていますが、
説明の深さに差 がありました。

無料版

👉 RAG(検索拡張生成)やスクレイピング系アプリで特に危険

ChatGPT Plus

→ 検索結果経由でプロンプトに混入
→ ユーザーは何もしていないのに挙動が壊れる

Plus の回答は、
「なぜユーザーが悪くなくても事故が起きるのか」 を
時系列で説明しています。

4. 対策の書き方の違い

最も差が出たのは、対策のレベル感 です。

無料版:考え方・原則中心

system / user / tool の役割を分離
「入力=命令」と扱わない

ChatGPT Plus:実装責務を明示

if (!allowedKeysOnly(response)) {
  throw new Error("invalid llm output");
}

比較して分かったこと

  • 無料版:どう考えるべきか
  • Plus:どこでアプリ側が責任を持つか

ChatGPT Plus の回答は一貫して
「LLMを信用しない前提で、どこをコードで止めるか」
という視点で整理されています。

5. 結論の違いが示すもの

無料版のまとめ

「賢いから安全」ではなく、「賢いからこそ危険」

ChatGPT Plus のまとめ

LLMを信頼しすぎない。
権限・判断・制御は必ずアプリ側で持つ。

ここにも違いが表れています。

  • 無料版:注意喚起として分かりやすい結論
  • Plus:設計責務の所在を明確にする結論

6. 総合比較

観点無料版ChatGPT Plus
分かりやすさ
具体例概念中心実装中心
対策原則・方針実装責務
想定用途学習・理解設計・レビュー

おわりに:ChatGPT Plus は「思考を深める補助輪」

今回の比較から分かったのは、

  • 無料版は
    概念理解・学習用途に非常に優れている
  • ChatGPT Plus は
    設計・実装・レビューの思考を補助する方向に強い

という違いです。

ChatGPT Plus は
「正解を教えてくれる存在」というより、

考え漏れを減らし、設計判断を整理するための補助輪

として使うと、
特にセキュリティ分野で価値を発揮すると感じました。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。もしこの記事の技術や考え方に少しでも興味を持っていただけたら、ネクストのエンジニアと気軽に話してみませんか。

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