1. 導入企業のプロフィール
本事例の導入企業は、全国に35店舗以上を展開するインテリアショップ運営を中心とした小売チェーン企業です。
小売業だけでなく、飲食・卸売業も手がける多角的な事業展開が特徴です。
今回は、社内のデジタル変革を担うDX推進室が、BI環境の整備とQuickSight導入プロジェクトを主導しました。
2. 課題と背景
長年使い続けてきた基幹システムは、堅牢性の高いシステムです。
日々のデータはエクセルで出力・加工・分析しており、エクセルに精通した情報システム部門の業務負荷が大きいという課題もありました。
また、部門ごとにナレッジが分断されており、
「何をどこで管理しているのかがわかりづらい」
「データはあるが、活かせていない」
といったデータ活用の停滞が社内全体の課題になっていました。
3. 導入の決め手
複数のベンダーを検討する中で、ネクストが選ばれた理由は、アジャイルかつ実務に寄り添った伴走支援スタイルでした。
他社からは、構築一式を請け負う提案もありましたが、「構築は支援を受けつつ、運用は内製化していきたい」という明確な意向を持っていました。
ネクストは、スモールスタートを前提に、週次の定例ミーティングで課題を整理し、Slackなどを通じて柔軟に伴走支援を行うスタイルを提案。
その進め方が、現場のリソースや社内体制ともマッチしていたことが決め手となりました。
4. 導入の概要
プロジェクトでは、Amazon QuickSightを活用したBI環境構築の技術支援をネクストが担当しました。
まずは部門単位での活用からスタートし、今後は全社展開も見据えています。
導入支援は、週次の定例ミーティングを軸にしたアジャイルな進行です。
優先度の高い課題を順に対応しながら、Slackなどを通じて日々のやり取りも継続。
DX推進室との密なコミュニケーションにより、単なるツール導入にとどまらない、実務に寄り添った柔軟な支援体制を構築しています。
初期フェーズでは、社内に蓄積されたデータの構造や運用ルールを丁寧に整理し、
エクセルで吐き出される基幹データを整理してデータ活用基盤とQuickSightでの可視化環境を構築。
基幹システムベンダーとも連携をとり、基幹データの自動連携を実現したことでリアルタイムなデータ活用を推進しています。
5. 効果と成果
定量的な成果はこれから可視化されるフェーズですが、すでにいくつかの明確な変化が現れています。
特に大きかったのは、情報システム部門2名がエクセルで作成していた分析業務の一部をQuickSightへ移行できたことです。
これまでは、データの抽出から加工、グラフ作成まで、すべてが担当者のスキルに依存していました。
その属人性が解消されつつあり、今後は他メンバーでも一定の分析・閲覧が可能となる見込みです。
また、QuickSightの導入をきっかけに、生成AIやアプリ開発に関する相談が発生しています。
データやIT活用に対する意識が高まってきたことで、DX推進室が中心となって、社内全体への波及が始まりました。
さらに、以前は情シスを通じて他部署へデータを提供していたため、リアルタイム性に課題がありましたが、現在はQuickSightで必要な情報に直接アクセスできる環境が整いつつあります。
これは、意思決定のスピード向上と現場の自律的な課題解決に直結する、大きな一歩です。
今後は、QuickSightのさらなる利活用に加え、生成AIとの連携によるBIの高度化を見据えています。
とくに注目しているのは、Amazon Q in QuickSightを活用した自然言語によるデータ検索・分析です。
「誰もが質問するだけでデータにアクセスできる」未来を目指し、次なるステップが動き出しています。
また、アジャイルな伴走支援のスタイルをベースに、生成AIやアプリ開発といった新たな技術分野にも支援の範囲を拡大する方針です。
数万件に及ぶSKUやブランド情報の整備も進めており、今後はこれらを活かして戦略的なデータ活用を加速していく構想があります。
ネクストに対しては、今後も引き続き、社内調整や技術選定の伴走役としての期待が寄せられています。
「社内の“窓口”になってくれる存在」として、企業の内側に入り込んだ支援体制を継続する予定です。
BI活用やQuickSight導入を検討中の方へ
属人化の解消、情報の見える化、現場の自走力向上。
どれもBI導入だけでは実現できません。
ネクストは、業務課題に寄り添い、技術と現場をつなぐ伴走支援で、貴社のDXをサポートします。