1. 導入企業のプロフィール
今回の事例企業は、全国に35店舗以上を展開するインテリアショップを運営する小売チェーンです。
DX推進室を中心に、業務効率化と新たな技術活用に積極的に取り組んでいます。海外メーカーとの取引が多く、発注業務の複雑さが課題となっていました。
2. 課題と背景
発注業務の中でも、特に課題となっていたのが、OCチェック(発注書と発注請書の突合確認)でした。
海外メーカーごとにフォーマットや表現が異なり、さらにカスタムオーダーの仕様変更も頻繁に発生するため、目視での確認が避けられない状況となっていました。
担当者による属人的なチェックが中心となり、人的ミスや確認漏れのリスクも高まっていました。
また、レガシーシステムの制約により、メーカーごとのマスタデータとの連携が困難で、業務全体の効率化が進まないという問題も。
業務負荷の増大とミスリスクの高まりは、会社全体の成長を妨げかねない状況となっていました。
3. 導入の決め手
以前より他分野での伴走支援を通じてネクストにご信頼をいただいていたことが背景にありました。
今回の生成AI活用においても、PoCから支援できる柔軟な体制と、開発リソースを持たない企業でも導入可能なスピード感ある支援体制が評価され、ネクストが選定されました。
4. 導入の概要
今回ネクストが提供したのは、生成AIのOCR機能を活用した発注書と発注請書の突合業務のPoC支援です。
海外メーカーからの請書をOCRで読み取り、構造化。
同社の発注書フォーマットと一致させ、最終確認は目視で行うものの、最終的には自動化を目指しています。
複雑なメーカーごとのルールをFew-shotプロンプトとして明文化し、複数のフォーマットを柔軟に処理可能なプロンプトを構築。目視確認を前提としていた業務が、LLM前提の業務へと転換する目星をつけたところでことで、現場の負荷軽減につながる期待を感じられました。
やりとりはSlackで随時行いながら、必要に応じてミーティングも設定。伴走支援型の開発スタイルが、現場のスピード感と柔軟性にフィットしました。
5. 効果と成果
現在はまだPoC段階であり、数値的な効果はこれからですが、複雑だったメーカーごとのルールが明文化されたこと自体が属人性解消への大きな成果でした。また、Few-shotプロンプトの設計によって、ドキュメント構造の理解精度が高まり、突合の自動処理も一部成功しました。
6. 今後の展開
今後は、PoCで構築した仕組みをベースに、他のメーカーの発注請書にも対応を広げていく予定です。また、Few-shotだけでは限界があることも見えてきたため、専用の業務アプリケーションとして展開する構想も検討に入っています。
さらに、OCチェック以外のバックオフィス業務にも生成AIを活用できる余地があるため、引き続きネクストの伴走支援を受けながら、DXを推進していく方針です。
生成AIを活用した業務効率化に関心のある企業様へ
ネクストでは、PoC支援からアプリケーション開発、継続的な伴走支援まで、柔軟に対応しています。まずはお気軽にご相談ください。