1. 導入企業のプロフィール
今回ご紹介する企業は、住宅ローンに特化したITサービスを展開する住宅ローンテック企業です。不動産や金融機関に向けて、住宅ローン申請プロセスを効率化するSaaS型サービスを提供しています。
従業員は200名を超え、全国に6ヶ所の拠点を構える中堅規模の企業です。サービスの特性上、開発力と金融・不動産業界への理解を兼ね備えた体制が必要とされており、同業界に向けて日々の業務改善とテクノロジー活用をリードしています。
特に最近では、生成AIやクラウド技術の活用にも積極的で、業務の属人化や申請業務の複雑さといった課題の解消に取り組んでいます。今回のプロジェクトも、そうした変革の一環としてスタートしました。
2. 課題と背景
住宅ローンの申請業務は、多くの紙書類を扱う煩雑なプロセスが存在し、非常に複雑でした。利用者である銀行や不動産会社から提出された書類をOCR処理してデータ化する運用はすでに行われていたものの、従来のOCRでは精度に限界があり、多くの手修正が発生していました。
また、申請業務の属人化も深刻でした。担当者ごとに対応内容が異なり、対応スピードや品質にばらつきが出ていました。この状況が続けば、申請遅延やエラーによる信頼性の低下に直結するため、改善が急務でした。
ちょうどその頃、生成AIによるOCR精度が飛躍的に向上し、AIの活用によってこの問題を解決できる可能性が見えてきました。
3. 導入の決め手
プロジェクトは非常にタイトなスケジュールの中で進められる必要がありました。そのため、生成AIとアプリケーション開発の知見を有し、短期間での開発体制を構築できる企業としてネクストが選ばれました。
また、ネクストはGoogle Drive APIとの連携実績を持っていたことも評価されました。住宅ローン関連のドキュメント管理にはすでにGoogle Driveを使用しており、その親和性は他社と比較するうえで重要な決定要因となりました。
4. 導入の概要
ネクストは、PoB(Proof of Business)の段階で、生成AI導入支援とシステム開発の両面から支援を開始しました。毎週の定例ミーティングとSlackでの密なやりとりを通じて、仕様のすり合わせや要望の反映をすばやく行い、現場のスピード感に合わせた柔軟な伴走体制を構築しました。
導入範囲は当初限定的なものでしたが、PoB段階での成果を受け、社内での横展開も検討されています。
5. 効果と成果
最大の成果は、ドキュメントの読み取り精度が90%以上を達成したことです。従来のOCRでは誤認識や抜けが多く、確認・修正に多くの工数がかかっていましたが、生成AIの導入によって大幅に改善されました。
これにより、複雑だった申請業務の一部が自動化され、現場の業務負担は大きく軽減されました。担当者からは「短納期で期待する成果を挙げられた」とのコメントもあり、開発体制や提案内容に対する信頼も高まりました。
社内に開発部署を持っている企業様でも、生成AIを活用したアプリケーション開発を検討中であれば、ネクストのような伴走型パートナーの活用がおすすめです。
6. 今後の展開
現在はPoB段階での導入でしたが、今回の成功を受けて、今後は社内でのさらなる開発・拡張が予定されています。たとえば、他部門への展開や新たな書類フォーマットへの対応などが視野に入っています。
ネクストに対しては、「次にPoCやPoBのプロジェクトが出てきたときにも、また依頼したい」との声があり、今後もパートナーとして継続的な支援が期待されています。
企画段階でもネクストなら伴走支援が可能
生成AIと業務アプリ開発の力で、あなたの現場も変えませんか?
ネクストではPoCやPoBといった初期フェーズから、伴走型で支援いたします。