前提:Bedrockって結局何?
「完成済みのAI(基盤モデル)を、サーバー管理なしでレンタルできるサービス」です。ChatGPTやClaudeのようなAIを、AWSの中からAPI経由で呼び出して使えます。今回紹介するものは、AWS認定AIプラクティショナーで出題される可能性がある5つの機能について大まかにまとめてみました!
①プレイグラウンド
- 概要:
AIモデルを触って試すための実験スペース。プログラミング不要で、画面上でチャットのように会話しながらAIの性能を確認できます。 - 主な特徴:
・コーディング不要でAIをすぐ試せる
・複数モデルを比較できる(Compareモード)
・ノーコードでAIアプリを作れる「PartyRock」も提供(AWSアカウント不要) - ユースケース:
・「このAIモデル、どれくらい賢いか試してみたい」
・「本番導入前に、どのモデル(Claude、Titan、Llamaなど)が自社の用途に合うか比較検討したい」 - 料金:
プレイグラウンド自体は無料。ただし裏で実際にAIモデルを呼び出すため、その分のトークン料金(使った文字数に応じた少額の料金)だけかかります。
②Knowledge Bases for Amazon Bedrock(ナレッジベース機能)
- 概要:
社内文書やデータベースなどの独自情報をAIに安全に連携させ、高精度な回答を生成(RAG:検索拡張生成)するフルマネージド基盤AI。 - 主な特徴:
・RAGの自動化:データの分割(チャンキング)やベクトル化、検索、プロンプトへのコンテキスト追加を自動で処理します。
・外部データ連携:Amazon S3だけでなく、SharePoint、Confluence、Googleドライブなどの外部ソースと簡単に同期できます。
・ハルシネーションの抑制:AIが勝手に情報を作り出すのを防ぎ、登録された社内データや事実に基づいて正確に回答させます。 - ユースケース:
・社内ヘルプデスク・FAQの自動化
・カスタマーサポートの高度化(オペレーター支援やチャットボット)
・業務効率化(過去の提案書・見積書の検索など) - 料金体系:
RAG(検索拡張生成)システムを構築・運用するには、連携する各AWSリソースの利用料金が実費で発生します。
全体のコストは、主に以下4つの要素の合算で決まります。
・検索対象のデータを保存するデータベースの料金(固定費)
・インデックス作成・クエリ処理料金
・基盤モデル(LLM)の利用料金(従量課金)
・ドキュメントソースのストレージ料金
③Bedrock Agents(エージェント機能)
- 概要:
AIにシステム操作や複数ステップの作業までを自律的に実行させるフルマネージド機能。マルチエージェントコラボレーションでは、複数の専門AIエージェントを連携させ、複雑な業務プロセスを分担処理できます。 - 主な特徴:
・タスクの自律的な実行
・複数ステップの思考と判断
・ユーザーへの確認と質問の自動化 - ユースケース:
・ECサイトの返品処理
ユーザーの指示:「注文した服のサイズが合わないから返品したい」
エージェントの行動:①購入履歴を検索する②返品期限(30日以内)を判定する③配送業者へ集荷のAPIを実行する
・工場の機材トラブル対応
ユーザーの指示:「3号機のエラーコード『E-99』ってどう直す?」
エージェントの行動:①マニュアル(ナレッジベース)から直し方を検索する②手順通りに機材のリセットAPIを実行する③直らなかったため、修理業者へメンテを自動発注する - 料金:
エージェント機能自体への追加料金はありません。呼び出されるモデルのトークン料金と、連携先(Lambdaなど)の実行料金がかかります。マルチエージェントの場合は複数のAIが動く分、呼び出し回数が増えてコストが積み上がりやすい点に注意が必要です。
④ガードレール
- 概要:
生成AIアプリケーションが不適切・有害なコンテンツを出力しないよう、安全対策を設定できるフルマネージド機能。Bedrockでサポートされているモデルだけでなく、ファインチューニング済みモデルやBedrock外でホストされているモデルにも一貫した安全基準を適用できます。 - 主な特徴:
・コンテンツフィルタリング:ヘイト・侮辱・性的表現・暴力・不正行為・プロンプト攻撃など、複数のカテゴリに沿ってテキストや画像の有害なコンテンツを検知・フィルタリングします
・禁止トピックの設定:自社の業務やアプリケーションにおいて望ましくない話題をあらかじめ定義し、ユーザーの質問やAIの応答に含まれていればブロックします
・モデル横断で使える汎用性:Bedrock上のモデルだけでなく外部のモデルにも同じ安全基準を適用できるため、複数のAI環境を持つ組織でも一貫した安全対策が取れます。 - ユースケース:
・社内チャットボットが業務外の話題(政治・競合他社など)に答えないよう制限する
・カスタマーサポートAIが危険・不適切な発言をしないよう安全対策を敷く
・プロンプトインジェクション(悪意ある入力でAIを誤動作させる攻撃)への対策 - 料金:
ガードレール単体で課金される仕組みになっており、モデル呼び出しのトークン料金とは別枠で費用が発生します。
⑤ファインチューニング
- 概要:
既存の基盤モデルに自社独自のデータを追加学習させ、特定の業務やドメインに適した応答ができるようカスタマイズする機能。「モデル自体の振る舞いを学習し直す」点が、ナレッジベース(RAG)との大きな違いです。 - 主な特徴:
・独自の口調・専門用語の習得:業界特有の専門用語や社内特有の言い回しを、モデルに一貫して使わせられるようになります
・出力フォーマットの固定化:決まった形式での回答を安定して生成させたい場合に有効です
・カスタムモデルとしての運用:ファインチューニング後のモデルを利用する際は、Provisioned Throughput(モデルユニットの購入)が必須になります。 - ユースケース:
・特定業界(医療、法律など)の専門用語・言い回しに対応したモデルの構築
・自社のブランドトーン・文体を反映した文章生成
・決まったフォーマットでの定型レポート作成の自動化 - 料金:以下の3つの要素で発生します。
・学習(トレーニング)にかかる料金(学習データ量・時間に応じて変動)
・カスタムモデルを保持しておくための保存料金
・推論時にはProvisioned Throughputの購入が必須となり、従量課金ではなく固定費として発生します
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。もしこの記事の技術や考え方に少しでも興味を持っていただけたら、ネクストのエンジニアと気軽に話してみませんか。
- 選考ではありません
- 履歴書不要
- 技術の話が中心
- 所要時間30分程度
- オンラインOK