AWS(Amazon Web Services)は、その柔軟性、スケーラビリティ、多様なサービスによって、世界中の企業や開発者から選ばれています。AWSには、初心者や新しいプロジェクトでAWSサービスを試してみたい方向けに「無料利用枠」が存在します。本記事では、AWS 無料利用枠と制限、あるいはコストをかけずに何ができるかを説明します。

こんな方におすすめ

  • なるべく費用をかけずにAWSを学習してみたい。
  • 新しいプロジェクトで試験的にAWSを使ってみたい。

ネクストはこれまで、500社を超えるお客様に技術で支援してきました。お客様の課題として多いのが、AWSを導入したいが社内にクラウド人材がいない、ITコストを抑えたいがノウハウがない、という声です。

むやみにAWSを導入する前に、まずはクラウドやAWSについての基礎を学習し、正しい知識を得ることが大切です。これからAWS導入をはじめたいと考えている方は、ぜひご一読ください。 →AWS導入支援はこちら

AWS 無料利用枠とは?

AWSは、導入・利用のハードルを下げるために無料利用枠を設けています。ここでは、無料利用枠の種類とアカウント設定、利用する際に必要となる資格を詳しく見てみましょう。

無料利用枠の種類

AWSの無料利用枠は、利用料を支払わずにサービスの利用を体験できます。具体的に無料利用枠のオファーには3つの種類があります。

  1. 常に無料: 一定の使用制限付きで、無期限に、無料で使用できるオファーです。たとえばAmazon DynamoDBは25GB分のデータベースストレージと毎月最大2億リクエストを上限に無料利用が可能です。
  2. 12か月間無料: AWSの新規顧客のみが利用でき、人気サービスの 1 年間の制限付き無料使用ができるオファーです。AWSの代表的コンピューティングサービスであるEC2もこれに含まれます。LinuxまたはWindowsのEC2インスタンスのうち、t2.microまたはt3.micro(インスタンスのパワーをあらわします)が、月あたり 750 時間、無料で利用できます。
  3. トライアル: トライアルでは、上記に紹介した「常に無料」または「12 か月無料」のどちらかに含まれない特定のサービスに対して提供される無料枠のオファーです。

アカウントのセットアップと無料利用枠の資格

AWSの無料利用枠を利用するには、AWSのアカウントが必要です。

  1. アカウント作成: AWSのホームページにアクセスし、AWSアカウントを作成しましょう。メールアドレスやパスワード、連絡先情報、支払い情報(クレジットカードが必要)などを入力することで登録することができます。個人・法人どちらでも登録が可能です。
  2. 本人確認: AWSは、電話番号にワンタイムパスコードを送信することにより、本人確認を行います。この手順により、アカウントのセキュリティが確保されます。できればモバイルアプリなどを使用したMFA(多要素認証 = Multi-Factor Authentication)も設定しておくと、さらに強固なセキュリティが確保されます。
  3. サポート プランの選択:無料の基本プランを含むサポートプランを選択できます。
  4. ログイン:アカウントが作成されると、AWS管理コンソールにアクセスできます。AWS サービスを利用する準備が整いました。

公式ドキュメントも参考にしてみてください。

AWSアカウントの作成 | 公式ドキュメント

AWS無料利用枠のオファーを受けられる基準とおすすめの利用方法

  • AWS の新規顧客: 「12か月の無料利用枠」は、AWSの新規ユーザーだけが利用できます。
  • 最新情報を入手: AWSは無料利用枠のオファーを定期的に更新します。最新情報については、AWS 無料利用枠ページを定期的にチェックしましょう。
  • 使用状況を監視する: 「AWS Budgets」と「AWS Cost Explorer」を使用して使用状況を監視します。この2つのサービスは、AWSのコストの予測ができるため、予期せぬ請求を回避するのに役立ちます。現在の設定が無料利用枠の制限に収まっているかを常に把握しておきましょう。
  • サービス制限を理解する: 各サービスの無料利用枠には制限があります。EC2の無料枠は毎月750 時間です。これはほとんど1ヶ月に該当しますが、たとえば2つのECインスタンスを同時に起動していると、ほぼ半月で無料枠の制限に達してしまいますので注意が必要です。

無料利用枠で利用できるAWS サービスの例

Amazon EC2

Amazon EC2は仮想のコンピュータを貸し出すサービスです。EC2はAWSの代表的なサービスであり、無料利用枠の対象サービスです。無料利用枠では、EC2のインスタンス(≒1台の仮想マシン)を毎月最大750時間起動できます。なぜ1台1月無料などといわずに750時間かというと、750時間はほぼ1ヶ月ですが、同時並行して複数のインスタンスを実行することも可能だからです。つまり、2インスタンスを月を通して実行するのであれば、375時間ずつ利用することができます。

EC2 はインスタンスタイプをベースに、OSやディストリビューション、CPU、メモリなどさまざまなスペックでマシンを利用できます。無料利用枠で最も使用されるインスタンスタイプはt2.microとt3.microです。このインスタンスタイプは小規模なWebサイトや学習用に適しています。

Amazon S3

Amazon S3 は、ストレージサービスです。Web サイトやモバイルアプリ、バックアップと復元用データ、アーカイブなど、さまざまなシーンで利用可能な拡張性の高いストレージサービスです。無料利用枠には、5GBの標準ストレージ、20,000件のGETリクエスト、および2,000件のPUTリクエストが利用可能です。

Amazon RDS

Amazon RDSはデータベースのマネージドサービスです。無料利用枠では、1 つのデータベース インスタンスに対して750時間の使用と20 GBのストレージが許可されます。RDSは費用面で大きなウェイトを占めやすいため、無料枠の利用は初期ユーザーには重宝されると思います。

まとめ

今回は「AWSの無料利用枠」をテーマに、初心者に向けてよりわかりやすくご紹介しました。こうしたサービスを最大限に活用し、AWSの導入を試してみてください。

AWSとは.com では、AWSの基礎から実践までの学習を通じて、企業や個人のAWS導入を支援していく予定です。

最後までお読みいただきありがとうございました。